2017年10月11日水曜日

主権者としての社会的責任の自覚と理性 

私たちは主権者としての社会的責任を自覚し、政治に冷静な理性を求めます

 日本は「日本国憲法」によって、国のカタチを定め、国会で定める法律によって“法治”する立憲民主国です。思想信条の自由を人権として位置づけ、多元価値・多様性を尊重し合って主権在民の理念で成立しています。
 しかし、現実はどうでしょうか。安倍政権の5年間を冷静に吟味してみる必要があります。大臣を安倍首相の“お友達”で構成し、政治が私物化されているのではないでしょうか。安倍首相への「忖度」によって森友・加計疑惑は国税の使途としては不明のままです。国会で虚偽答弁の疑いのある財務省局長があろうことか国税庁長官に栄転しています。秘密保護法、戦争法、共謀罪などの国会審議においても、大臣達の答弁に混乱や虚偽が重なったにもかかわらず、オトガメなしで、審議不十分なままに強行採決されました。国民の信託を受け、国権の最高機関である国会、つまり主権者国民に対する侮辱です。
 今般の解散総選挙は政治の恥ずかしい実態を背景に混迷を極めています。「逃げ切り解散」と世間で言われているように、森友・加計問題で安倍首相は「誠実で丁寧な説明」する臨時国会を回避するためなのでしょうか、憲法の規定に沿った野党の臨時国会請求を先延ばしただけでなく、所信表明演説もしない冒頭解散という理不尽でした。ここにも憲法無視の「ご都合」が見られます。憲法の精神が踏みにじられて来たのです。
 このような恥ずかしい政治の現実の中で、アベノミクスは破綻が明白となってきました。ゼロ金利で財布のヒモはかたいままです。先行き不安が深刻だからです。笑っているのは輸出関連の大企業だけであり、中小零細企業は四苦八苦です。貧富格差は拡大し、庶民に希望はありません。社会的・経済的な閉塞感はやがて全体主義を引き寄せ、破局的未来につながりかねません。すでに安倍一強体制によって「忖度独裁」は進んでいます。憲法無視の「力の政治」は全体主義的です。希望の党も小池独裁で、その危険性を露出しています。
 時代の閉塞感は庶民の中に不安・不満と苛立を呼び、分かりやすい政策を独裁に求める危険があります。この危険のもたらす全体主義は壊滅的戦争への流れを強めることでしょう。すでに安倍首相はアメリカのトランプ大統領のお先棒を担いで危機感を煽っています。そして、国連の非核条約に反対しました。広島・長崎の経験を持ち、非戦の憲法を持つ日本国ですから、世界の不信感を集めたのも当然で、悲しいことです。
 このような危機的状況の中で、政治の混乱をどう受け止めるべきなのでしょうか。熱狂と興奮は危険な世への雪崩を呼ぶでしょう。私たちは冷静で理性的にものごとを見つめ、一人一人が主体的、自立的に主権者としての自覚を大切にしたいと思います。私たちは混乱に巻き込まれ、うろたえることはもちろん、小池劇場を楽しむ傍観者となるのは無責任です。一人一人の力は小さくとも、力を合わせ社会を健全にする社会的責任を自覚し、日本国憲法が認める国民の権利を行使したいと思います。

                           2017109
               
                    政治に冷静な理性を求める京都の有志

 石田紀郎、石野はるみ、伊藤正子、岩本真一、大津定美、大津典子、大見哲巨、岡田直紀、小川光、荻野晃也、小椋純一、落合祥尭川那部綾子、川那部浩哉、北川政幸、楠瀬佳子、黒田末壽駒込武、白井聡、新谷英治、住友剛、田平正子、槌田劭、中尾ハジメ、浜 矩子、平松幸三、藤原 辰史、細川弘明、松久寛、松良俊明、三木草子、三石博行、宮本正興、文殊幹夫、山田國廣、山田耕作、吉竹幸則、和田喜彦      


       連絡先:槌田劭(0774-32-6786)石田紀郎(090-1968-8004
x

2017年5月1日月曜日

自然エネルギー社会を目指す人々からの情報・ニュース

自然エネルギー社会を目指す人々からの情報・ニュース
----------------------------------------------------------------

 PV-Net調査室の吉田幸二主任研究員が発行されている「太陽光発電・グリーン電力等のニュース」。殆ど毎日配信されるニュースには、すべての分野の太陽光発電に関する情報が記載されています。
☆「太陽光発電・グリーン電力等のニュース」のバックナンバーは、吉田幸二氏のHP「知っ得太陽光発電トレンド情報発信基地」で見ることできます。

「太陽光発電・グリーン電力等のニュース」の配信依頼 http://curator358.com/
E-Mailjcb01351@nifty.com
携帯 : 090-5114-9777 TEL&FAX : 0568-88-8032
480-0305 愛知県春日井市坂下町5-313-4

----------------------------------------------------------------
NPO法人 健康・環境研究協議会環境部門 ニュース発行事務局
ホームページ:https://sites.google.com/site/npohesa77/home
アドレス:npo.kenkoukankyou@gmail.com

----------------------------------------------------------------
http://www.kikonet.org/kiko-blog/tag/renewable-energy

----------------------------------------------------------------
☆ 『環境ビジネス』 オンライン情報
登録サイト:https://www.kankyo-business.jp/press/?utm_source=mail&utm_medium=mail161011_d&utm_campaign=newsfooter

----------------------------------------------------------------
NEDO「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構」のウェブサイト
http://www.nedo.go.jp/

----------------------------------------------------------------
☆ 環境エネルギー政策研究所  ISEPメールニュース
info-fan@isep.or.jp mail221.suw16.rsgsv.net
http://us9.campaign-archive1.com/?u=d6462e46adb9be545582598e0&id=e9a0568544&e=91994b9efb

----------------------------------------------------------------
https://pps-net.org/information

----------------------------------------------------------------
☆ 新エネルギー新聞
http://www.newenergy-news.com/?cat=4

----------------------------------------------------------------
☆ 環境新聞 エネルギー・低炭素
http://www.kankyo-news.co.jp/ps/qn/guest/news/showback.cgi?CCODE=82

----------------------------------------------------------------

2017年1月25日水曜日

講演シリーズ「医師・専門家からみた福島原発事故」

NPO法人京都・奈良EU協会では、2011年の5月から12月、講演シリーズ「医師・専門家からみた福島原発事故」を開催しました。


第1回  講師:平岡諦医師(大阪中央病院顧問)
  「放射能による健康障害と放射線による病気の克服」
  http://mitsuishi.blogspot.com/2011_05_01_archive.html
第2回 講師:郷地秀夫医師(東神戸診療所)
  「被爆者医療からみた福島原発事故」
  http://mitsuishi.blogspot.com/2011/07/youtube.html
第3回 講師:西野方庸氏(関西労働者安全センター事務局長)
  「原発被ばく問題のこれから」
  http://www.youtube.com/watch?v=NIfFxR0uaRk
第4回 講師:長尾和宏医師(長尾クリニック院長)
  「原発作業員の労働衛生―放射線障害の不確実性と多様性―」
  http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/syakai_01_01/lecture110806.pdf
第5回 講師:谷口修一医師(虎の門病院血液内科部長)
  「原発作業員に対する自己造血幹細胞事前採取の提言」
  http://hiroyukimitsuishi.web.fc2.com/pdf/syakai_01_01/lecture111203.pdf

2017年1月9日月曜日

21世紀社会では人的資源が最も大切な社会資源となる

- 激動するグローバリゼーションの歴史の流れでの急がなければならない政策課題 -



三石博行





1、独裁型国家から民主主義国家への移行原因(資源論から見る)


21世紀社会のこれからの課題を考えるために、17世紀からはじまった近代合理主義、啓蒙主義、そして民主主義や資本主義の意味を、これまでの社会経済史の進化過程の中で、理解しなければならない。


そもそも、生物の世界では、種の保存が個体保存よりも強くはたらく。しかし、人間は、その逆だ。つまり、種の保存よりも個体保存を優先してしまう。そのため、私たちは社会規則、慣習、習慣、文化、社会制度という人工的な環境を創りだし、個体保存(利己主義)を抑えるシステムを構築してきた。


その意味で、封建社会までが、最も人類にとって種族保存には都合の良い、素晴らしい環境であった。しかし、近代主義、個人の自由や社会的平等が社会観念の本流を形成していった時代、確かに、自由という欲望の力によって資本主義経済が発展し、私たちは巨大な富を獲得したのだが、同時に、この自由の制御システムを摸索することになった。


最初の試みは、社会契約という考え方であった。つまり、「自己のエゴを認めてもらうために、他者のエゴを認める。それらのエゴの利害関係を前提にした社会制度・法を形成し、その法の支配を前提にした社会、つまり民主主義社会を形成する」という考え方である。


確かに、封建時代は、強力な暴力装置とそれを独占しる王権、独裁者によって、社会は運営されていた。意思決定は早いし、面倒くさい選挙や国民投票など不要で、王様や権力者の一言で、国が一つになって動いていた。その意味で、この社会制度は、意思決定機能に必要なコストを最低限に抑え、その分、国家の経済力を軍事力やその他に配分できた。勿論、権力者達がそれを支配し、その配分方法を決めていたわけだ。その視点から、見るなら、民主国家は、封建主義・独裁主義国家に比べて、恐ろしく非効率な制度を前提にしていると言われるだろう。


しかし、封建主義国家では、国家運営に活用できる人的資源を獲得できるストックは支配者階級を支える階層(貴族階層、武士階層)と限られている。勿論、封建社会の政権運営には、それで十分であったとも言える。しかし、より高度の政治経済機能を前提にして成立している近代国家では、一部の支配階層の人的資源では、国家運営を担うことが出来ない。国民国家として、国民すべての人的資源を活用することで、近代国家は成立する。国民への義務教育、徴兵制度、納税制度等々、それらは、近代国家の運営の一つを物語る。


封建・独裁国家が持つ意思決定の速さ、その経済効率を、民主主義国家では豊かな人的資源の活用によって、より高度の生産性と経済効率の良さを獲得する方向で進化してきた。もし、この進化の方向を予測するなら、未来の社会経済システムは、より広範囲の人的資源ソースを獲得し、そしてそれからより質の高い人的資源をより多く活用することが出来る社会制度になると思われれる。


2、21世紀型の社会経済システムへの進化プローセスのデザインとは何か 


それを実証するように、ソビエト連邦が崩壊した。また、文化大革命によってより強固な社会主義体制の確立への政治路線を修正し「国家資本主義化」の道を選んだ中国ように、社会主義経済は実質、崩壊した。崩壊していない国がるとすれば、朝鮮人民民主主義共和国(北朝鮮)だけである。しかし、それも、多分、今後、大きく政治路線を修正し、中国型国家資本主義を目指すことになるだろう。


未だに、欧米型民主主義国家が一般的民主主義社会の典型として世界化しないのは、富国政策の要である近代化政策に、それぞれのやり方があることを、世界、特に欧米日本を中心とする経済先進国は理解しなければならない。


今更説明するまでもないことだが、中国型の一党独裁型国家資本主義経済制度と国家支援の国有企業経済が、意思決定の速さ(経済効率)と大衆化した共産党を土台とするより豊かな人的資源の活用によって、急速な経済発展を可能にしようとしている。事実、社会主義を名乗る中国は一党独裁型国家資本主義制度の中で、急速な近代化、工業化、資本主義化、市場経済化、国際経済力を付けて来た。こうした新しい近代化政策やそれを支える政治制度を、旧来の社会主義対資本主義という古い視点で見る限り、その基本的構造を理解することは出来ない。


近代化の遅れたアジア(ロシアを含む)では、近代化は、かくてイギリスやフランスが成し遂げた市民革命、西欧民主主義制度を類似して進行することはない。そのことは日本の明治維新、そして明治・大正・昭和初期の天皇制日本帝国の歴史を振り返ることでも理解できるだろう。 いずれにしても、今後、社会経済システムの進化は、資本主義経済を生み出した民主主義国家の基本的な路線を踏襲しながら、それらの民族国家の歴史や伝統、資源状態を前提にして進むだろうと思われる。


321世紀社会の重要課題、人的資源の育成、確保、維持


その意味で、21世紀型の社会経済システムを構築するためには、大きく二つの課題が問われる。一つは、その国の伝統や文化という言葉に凝縮された過去の資源形態、そして、もう一つは、現在の社会経済システムを稼働している現在の資源形態である。その二つの課題から、まず、第一の課題、伝統や文化という言葉に凝縮された過去の資源形態を活かし、これからの社会経済システムの進化プローセスを設計(デザイン)することが問われる。そして、第二の課題では、グローバリゼーションの流れの中で存続可能な社会と人々の在り方を課題にする社会制度設計が問われる。


第一の課題では、以下のテーマが問われる。

1、伝統文化、生態文化を重んじ、また他国、異文化理解、多様性を受け入れる豊かな教育文化と教育制度の確立を行う。

2、伝統産業と先端産業の融合による、文化と人的資源の開発・イノベーションを進めるための研究開発を促進する制度や教育を充実させる。

3、グローバリゼーションの流れの中で持続可能な多様性を基調とした地域社会の在り方を摸索する。


また、第二のっ課題では、以下のテーマが課題となる。

1、より広く人的資源ソースを獲得する社会制度の構築、豊かな教育文化と教育制度の確立を行う。つまり、教育環境、教育内容、国民皆教育制度(教育の無料化)の充実が大切な課題となる。

2、また、より素早く社会変革に適応する人材形成の制度構築、豊かな再教育制度。つまり、新しい産業構造に順応し、またそれを担う人々を育成する制度が必要である。そのためには、既存の学校制度(大学や専門学校)をそのために活用すべきである。そして、すべての人々が、多様な、しかも自主的・主体的な再教育制度を受けられるように改革を進めるべきである。

3、教育を重要な社会インフラとして位置づけること。つまり、より多くの人々が、その教育社会インフラの向上や維持に参加できる制度の構築が必要である。教育インフラを社会全体、市民全員でサポートする制度を形成すべきである。


421世紀社会の重要課題、政策決定過程への市民参画型社会の形成


グローバリゼーションが更に進行する21世紀の社会経済システムを構築するために、参画型市民社会の形成、多様性を受け入れる力をもつ社会文化の形成、変化する産業構造に対して新しい産業構造を構築できる人材育成と再教育制度、研究開発機構、必然的に進行する格差社会に対する社会政策、社会福祉保障、教育政策、等々、敗者復活戦を可能にする社会、意欲ある人々に挑戦の機会を与える社会、つまり人的資源の確保や維持を重要な課題としえ取り上げる社会の仕組みが必要となる。


これらの課題を解決しようとする社会が、21世紀型社会経済、つまり、社会経済のグローバリゼーションの流れの中で生き延びることが出来る社会となるだろう。一言でその進化の方向とは、民主主義文化の徹底化であると言える。しかし、現在、世界のあらゆる国々の政策や政治の在り方を見る限り、必ずしも、そうはなっていない。逆に、民主主義を抑制し、国家的統制を強化し、国民から政治参画の機会を奪い、また国家の情報を安全保障に関わるとして隠蔽し、強引な国家運営を行う傾向にある。そうした傾向を推し進める政治家の言い分は、「意思決定の速さ」と「国家安全保障」のためと言うことだ。


例えば、最も典型的な国家として日本、わが国のエネルギー政策をその例に挙げることが出来る。1973年の第一次石油ショック、1979年の第二次石油ショックを受け、エネルギーの海外依存を続けてきたわが国のエネルギー安全保障の見直しが進む中、原子力エネルギー政策が大きく歩み出した。資源・エネルギー・食料の自給は国家安全保障上、極めて重要な課題であることは言うまでもない。当時は、再生可能エネルギーは化石燃料よりも高価であった訳で、原子力発電をベースにしたエネルギー政策を立てたのは、日本だけではなかった。しかし、原子力発電の安全性は極めて問題であった以上、その政策決定を、検証する必要がある。化石燃料に依存しないエネルギー政策を、当時、原子力以外に摸索することが出来たのかという反論もあるだろう。その意味で、当時のエネルギー政策を、現時点から評価することは、難しいのであるが、安全性の課題を、隠蔽し、原子力発電を建設し続けたことは、大きな誤りであったと考える。


もし、このエネルギー政策を、民主主義社会の進化を推進する条件を取り入れて、展開したとすれば、政策過程に、これまでの歴史的経過と、どのような違いが生じたいたか、その違いを仮定してみよう。


1、原子力発電の仕組み、管理体制、その安全性に関する徹底的な情報公開を行い、誘致する地域、及び、原発事故を想定して、被害が及ぶと仮定される近隣地域の市民を含めて、枯渇する化石燃料(海外の)に依存する日本のエネルギー政策・安全保障に関する議論を行う。

2、原子力発電の危険性や安全性を訴える科学技術者、その有用性、必要性を訴える経済人、政府、地方行政等々の専門家の意見を社会的に公開し、市民のコンセンサスを得る活動を行う。


以上のような、情報公開、市民参画のエネルギー政策を進めることができるなら、原発建設を同意し、建設されたにしろ、また、その逆に建設が中止されたにしても、エネルギー問題を国民的課題として考える機会を得ただろう。そのことで、国民間では、どのようなエネルギー安全保障に関する意識が高まっただろうか。例えば、省エネルギー国民運動が起こらなかったか。また、市民共同での小水力発電、風力発電、太陽光発電、太陽熱利用、等々の再生可能エネルギー政策を支援し、推進する国民運動が起こらなかっただろうか。これが、ここで、簡単に仮定できた海外に依存し、かつ枯渇し続ける化石燃料に依存しない日本のエネルギー政策に対する国民的な参画、サポート、支援活動ではなかったかと思われる。


しかし、今述べてことは夢物語と一笑されても仕方のない話である。つまり、歴史的現実は、まったく、それとは反対の流れを作り、そして、50基を超える原発が建設され、それらの燃料を自給するための核燃料サイクル、高速増殖炉よって原発で生産された劣化ウラン(ウラン238)がプルトニウム239に変化し、それを更に核燃料として再利用するいうストーリーで現実は進んだ。その結果は、今更、ここで言うまでもないだろう。


問題は、国家の最も重要な政策に関する情報が国民・市民に公開されず、また、政策決定過程が闇に包まれ、一部の与党政治家、官僚、専門家と原子力関連産業の幹部によって、政策が決定されてきたことである。この意思決定の構造は、前記した封建時代や独裁国家の意思決定の手法と類似している。原子力発電所建設をめぐる多くのステークホルダーの意見を取り入れていたら、建設は不可能であると理解した上で、民主主義社会では考えられない独裁的な決定方法を選んだ。その結果が、福島原発事故であり、そのために国民が受けた被害とさらに100年以上も掛かる事故処理や巨額の税金、国民負担である。


この失敗を再び繰り返さないためには、市民参画型のエネルギー政策を行うしかないのである。しかし、まだ、日本国民と政治はそのことを理解していないようである。となると、もう一度、福島原発事故に近い、災害を繰り返す可能性があると考えるべきである。



日韓友好関係を政党第一主義の政治家にまかすな。

釜山日本領事館の前に慰安婦像が20161230日に設置され、それを釜山市は、一回はその像を撤去したものの、市民の講義を受けて、再設置を許可したというニュースが駆け巡り、そして、それに対する対抗措置を日本政府が取った。それに対して、韓国政府が抗議した。ここまでの話(日本のニュースが伝えた)では、またもや、国際協定を無視する韓国政府の対応で、日韓関係は悪化するのかと、多くの日本国民は思っただろう。

しかし、この事件の1日前、20161229日に、稲田朋美防衛相が昨年暮れ、1229日に靖国神社に参拝した。そして、安倍首相は「ノーコメント」と記者会見で述べた。そもそも、慰安婦問題とは日本が戦前行っていた朝鮮半島の植民地政策を問題にしたもので、その犠牲者は慰安婦だけでなく、朝鮮半島の全ての人々であった。それらの歴史認識を、韓国や中国は求め続けてきた。それに対して、日本は真摯に謝罪をしなければならなかった。日韓条約、経済支援、そして村山談話、河野談話と、日韓関係では、和解の道が開けてきた。その過程を現在の自民党を中心とする政治家は尊重しなければならない。

韓国や中国では、靖国神社に先の戦争を引き起こしたA級戦犯が合祀されていることへの反発が起こった。アメリカですら、政府高官の靖国参拝を批判的に見ていた。ましては、侵略戦争で莫大な被害を受けた中国や韓国では、これまで、市民の激しい抗議デモが起こっていた。

そうして歴史、経過を無視して、稲田朋美防衛大臣は靖国神社に参拝し、また、安倍首相は「ノーコメント」とそれを容認する姿勢を世界に示したのである。その翌日に、釜山日本領事館の前に慰安婦像が設置された。

昨年暮れは韓国では、朴槿恵大統領への講義デモで、国内は揺れていた。そして、今、韓国は朴大統領が弾劾され、政治は機能しない状態となっている。こんな隣国の大変な状態に対して、配慮もなく、稲田氏は靖国神社を参拝したのである。つまり、その結果がどうなるかという政治的配慮は全くなかった。

これが日本の国防を担うトップの政治家の国際政治感覚であるとすれば、何という日本の国際安全保障政策の失態であるか、国民は理性的に理解しなければならない。

敢えて、政治的混乱に苦しむ現在の韓国政府を、支えるのでなく、窮地に落とし込める外交をやる。その軽薄さ、その国際政治感覚ゼロの政治家たち、恥ずかしい話ではないか。トランプ氏は口だけで、次期アメリカ大統領としては、恥ずかしいことを言い続けているのであるが、日本の政治家は、行動で、国際政治の視点から考えても、恥ずかし行動をとり続けているのである。

もっと言うなら、10億円払ったのだから、もういいだろう。後は、靖国にも行くし、日本がこれ以上謝罪することはない。10億円使っておいて、今更、慰安婦問題なんぞ言っていいのか。という何とも恥ずかしい、傲慢な、そして外交を知らない、隣国韓国への尊厳を失った姿が見える。それで、どうして、東アジアの平和的共存が出来るのか、冷静に自分たちの外交を振り返って欲しいと思う。

更にもう一つ、理解しなければならないことがある。それは、代々の自民党政権が、これまで努力してきた日韓和解協議の過程、努力を、現在の政権内部の一部(多数かもしれないが)、敢えて、水に流し、破棄しようとしていることだ。それは何故か。この疑問から、現在の安倍政権を支える政治家の、あるべき未来の日本の姿や、また隣国との連帯、地域国際関係への考え方が見えてくるように思われる。それこそ、この問題から、再び投影された彼ら、政党第一主義の政治家の本音ではないだろうか。そして、これこそ、最も、私たちが危惧しなければならない、ことなのかもしれない。

つまり、彼らの脳裏にあるのは「政党第一主義」であり、「国民第一主義」でも「平和第一主義」でもない。彼らは、そのためには、未来社会を売り渡すことも、そして日本を戦禍に導くことも、厭わないかもしれない。そんな政治家に未来を任すことは出来ない。思い出そう。東日本大震災の時、どれほど、韓国や中国の人々が支援してくれたか。だから、私たちは、もっと、市民による、市民のための、市民の「地域国際連帯」を創りだす必要があるのだ。


201719 フェイズブックに記載

2017年1月7日土曜日

2017年第1回関西政治社会学会研究会同志社大学人文科学研究所 共同研究会ご案内


日時 2017年1月28日(土)13時00分-18時25分 
場所 同志社大学烏丸キャンパス志高館1階SK119
https://www.doshisha.ac.jp/inform…/…/imadegawa/karasuma.html

参加自由、参加費無料
開催 挨拶 13時00分-13時05分
三石博行氏 (政治社会学会理事長、哲学博士)
------------------------------------------------------
1部 テーマ「自由セッション」13時05分-15時15分 (130分)
-------------------------------
報告者1、三石博行氏 ( NPO太陽光発電所ネットワーク副理事長 ) 
タイトル 「熊本地震太陽光パネル被害調査報告と救済型調査活動について」(40分)
-------------------------------------------------------

要旨
2016年4月の熊本での直下型地震で、益城町等地域的に被害は集中し、家屋の倒壊は地域全体の半数に及んだ。PV-Netでは、早速、救援・調査団を結成し、住宅用太陽光発電所オーナの救援活動と被害調査を、4月と6月の2回、行った、被災状況を聞き、必要な救援活動を行い、さらにその被害状況を調査する、救済型調査活動を通じ、得られた情報(画像等)や調査資料を集計分析し報告書を作成した。2016年12月に熊本市で報告会を開催した。今後、調査した益城町で報告会を行う予定である。今回、救済型調査活動の社会学的方法論、被害調査報告、自然エネルギー社会を目指すために必要な自然災害に対するPV-Netの提案する安全管理や危機管理の課題について報告する。
質問  (25分)
--------------------------------
報告者2、SHANE Peter氏 (北海道大学医学部準教授) 
タイトル 「産業としての医業・製薬業の本質を考える 」(40分)
要旨
医業とは対価を得る目的で医療行為を働くことであり、医師以外が行なうことが法律上禁じられている一方、人の健康維持・回復・促進などを目的とした諸活動について用いられる広範な意味を持った語が「医療」である。市場経済において再生産性が不自由である医療をひとつの「産業」と位置付けるためには、経済活動としての医療がどのような意味を持つのか考えてみたい。同時に、現代の医業には不可欠となった医薬品などを手掛ける製薬業の本質などについても考察してみたい。
質問 (25分)
------------------------------------------------------
休憩15時15分-15時30分 (15分)

------------------------------------------------------
2部 「核実験と放射能被曝被害 」 15時30分-18時00分  (120分)
--------------------------------
紹介者、石田紀郎氏 (市民環境研究会代表理事 京都大学元教授) 
-----------------
映画:ポリゴン(Poligon)   http://eiga.com/movie/49459/ による
 製作:1990年、上映時間:82分、 ロシア語 (60分)
監督
オラス・リムジャノフ
ウラジミール・レリフ
脚本
オラス・リムジャノフ
ウラジミール・レリフ
撮影
ピョートル・メンシコフ
1990年製作 旧ソ連   ポリゴン配給委員会
カザフ共和国セミパラチンスクにあるソ連最大級の核実験場での住民被害者、そ の家族と医師、反核運動者、対する政府指導者たちのそれぞれの声を集めプロパ ガンダ用ドキュメンタリー。立場を異にする政府当局と被害者が語る第一部「ゼ ロポイント」、実験に携わったアンドレイ・サハロフ博士と反核指導者オルザ ス・スレイメノフが核の恐ろしさを訴える第二部「真実の瞬間」の二部から構成 される。映画中のインタビューの2時間後に亡くなったサハロフ博士の遺言は、 1949年の実験開始から40年目にして核実験の秘密を解き明かす貴重な証言といえ る。タイトルのポリゴンとは、核実験場のこと。
-----------------
話題提供  (30分)
石田紀郎 (日本カザフ研究会代表理事)
 カザフスタンの二つの悲劇ーーセミパラとアラル海
-----------------
討論会 (30分)
------------------------------------------------------
閉会の挨拶 18時00分-18時10分 (10分)
新川達郎氏(関西政治社会学会会長、同志社大学大学院教授)

---------------------------------------------------------
懇親会 18時20分-20時20分
場所 芙蓉園
http://www.fuyouen.net/
参加費2000円、学生1000円

2017年に問われる国際社会の課題

- 2016年に起こった国際社会の激動の幕開けの意味する課題とは -


今、私たちは現状をどう理解し、そして、今後、どこに向かうべきなのか


三石博行

トランプ氏や民族国家主義はグローバリゼーションの流れを止めることが可能か


昨年は、イギリスの国民投票の結果、イギリスはEU離脱をすることになった。また、アメリカではポピュラリズム扇動したトランプ氏が大統領選挙を制した。こうした背景の一つに、これまでのグローバリゼーションへの反発がある。グローバリゼーションによって、安価な商品が流れ込み、国内の産業が大きな打撃を受けた。例えば、フランスの農業、アメリカの製造業、日本の農業等々、関税を撤廃する協定を結ぶことによって、先進国をはじめ発展途上国、世界の国々の産業構造が、グローバリゼーションによって、大きな影響を受けた。グローバリゼーションによって発展した産業、その逆に打撃を受けた産業が、それぞれの国々の状況によって、異なりながらも、結果的には、大きな産業構造の変革が起こった。その結果、倒産や海外移転する産業で働く人々は職を失うことになった。そして、2017年は、アメリカやヨーロッパの国々では、反グローバリゼーションの流れ、つまり保護主義が台頭し、これまでの自由貿易協定の変更を迫るだろう。


どの時代でも、国がある限り、自国第一主義と言うのは当たり前の政治スローガンだろう。だから、アメリカ第一と言うのは、別に、トランプ氏だけではなく、アメリカの全ての政治家の考えであり、また政治行動である。問題は、アメリカの利益を第一にする政治や経済政策である。グローバリゼーションによって、それを実現しようとしてきたこれまでのアメリカの政治の修正を行おうとトランプ氏は提案している。しかし、海外から輸入する製造産業物に高い関税を掛けながら、アメリカから輸出する農作物は自由貿易協定で、低い関税を他国に要求することが出来るだろうか。また、アメリカの国際金融資本の自由な取引を維持しながら、多国籍企業化したアメリカの巨大産業の海外事業に制限を掛けることが出来るだろうか。


トランプ氏の主張は、結果的にアメリカ経済に混乱を持ち込むことにならないか。そして、ご都合主義のアメリア第一政策は、結果的に、アメリカを国際社会の中心から逸脱していく過程を早めないだろうか。すでに、中国はそのことを理解し動き出しているともみられる。


高度情報化社会と経済グローバリゼーションと言う二つの産業システムの歴史の流れを、今更、止めることは出来ない。そのことを、結果的にトランプ政権は理解することになるだろう。何故なら、この産業構造の歴史の流れを創ったのは、今、グローバリゼーションに批判的な態度を示すアメリカ社会ではなかったか。それにも拘らず、その結果に異議申し立てを行っている。自らが起こしたグローバリゼーションの流れを反省することも、自覚することもなく、メキシコに壁を造れと言っているわけだが、メキシコ人からすると、おかしな話に聞こえるだろう。それと同じように、日本の安倍政権も困惑をしている。農業を犠牲にしてまで、これまでアメリカの国際経済政策・グローバリゼーションに追従して来た。そして、何とか国内産業構造の改革を行うことで、新たに進化するグローバリゼーションの流れに対応しようとしてきたが、ここに至って、グローバリゼーションの先導者であったアメリカから、もうグローバリゼーションは止めましょうと言われているのである。


日本が焦る理由は、中国主導のグローバリゼーションの流れが進む中で、何とかアメリカと手を組んでアメリカ・日本主導型グローバリゼーション(環太平洋パートナーシップ TTP)を行いたいという国際戦略が、トランプ氏によって崩壊しそうになっているからである。そして、その崩壊は、結果的に中国主導のグローバリゼーションの流れを助けることになると理解しているからである。つまり、安倍政権の国際外交政策は、トランプ氏の反グローバリゼーション政策に翻弄されることになるだろう。


しかし、いずれにしても、トランプ氏のアメリカ第一主義は、アメリカ社会・経済に大きな混乱をもたらしながら、アメリカ自体が、グローバリゼーションの歴的流れを阻止できないことを証明するだろう。


世界経済共同体化と多様性をもつ地域社会経済システム構築


問題は、それからなのだ。つまり、高度情報化社会と経済グローバリゼーションと言う二つの産業システムの歴史の流れが生み出す経済的、社会的問題を、どのように解決することが出来るかが問われる。つまり、一国経済主義、民族国家主義と呼ばれる歴史の歯車を逆回転させることによって、グローバリゼーションの基盤である高度情報化国際経済社会構造の進化から生み出される多くの課題を解決しなければならないのである。


そう言う私も、その答えを知らない。共に、その答えを求める仲間がいないかと考えている。それらの課題を検討するために、必要な政治経済政策を考え、研究する仲間がいないかと考えている。


例えば

1、進行するグローバリゼーションの中で、国内の産業構造の改革の視点、方法、制度プローセス等々の研究。例えば、農業を農産物生産産業だけでなく、エネルギー生産、環境保全産業、観光産業として多様化し、多様な価値を生み出す産業構造にすることによって、海外からの安価な農産物に対する国内的、国民的サポートを考える。その視点は同時に、食料安全保障とエネルギー安全保障を前提とした政策と合わせて、グローバリゼーションの流れの中での国内農業政策を打ち出す。

2、経済のグローバリゼーション、低賃金労働、格差社会、中産階級の貧困化等々、グローバリゼーションによる負の社会経済スパイラルの進行を抑制するための政策や国家間協定、制度作りが問題となる。特に労働環境やその条件、育児や教育、医療福祉等々、社会保障制度に関する国際的な協定、支援基金制度、また、同時に国内的な制度形成を行い、国民の犠牲の上に成り立つことを前提にして進行するグローバリゼーションの流れを是正する、国際的な社会政策制度が必要となる。

3、グローバリゼーションによる負の社会経済スパイラルは、科学技術力の格差によって引き起こされている。この課題を解決するために、国際的な科学技術研究開発機構の形成と、それらの成果を公平にどの国にも配分、もしくは、共同化する国際科学技術政策が必要となる。


今、世界は新しい社会観念論(政治哲学)とその具体的な政治経済政策を求めている。


21世紀の社会が、これまでの20世紀型の社会とは異なる新し社会であることは理解されていた。その一つとして、グローバリゼーションがあった。グローバリゼーションとは、具体的言うと、政治制度の国際化、経済活動の国際化を意味するが、それを支えているインフラが国際的な流通制度、高度情報化、国際的な文化交流が挙げられる。この流れは、今後も更に加速的に増大し続けるだろう。


19世紀ヨーロッパで起こる産業革命が巨大なエネルギーと物質の利用を可能にした機械製大工業の形成による社会経済の変化であるとするなら、21世紀で進行しつつある産業革命とは、エネルギー物質に情報を取り入れ、より効率的な生産システムを開発する社会への変化を意味する。つまり、今、私たちの社会で起こっているグローバリゼーションの流れは、その入り口を指している。


これらの歴史の流れが、果たして今後、人類の未来に繋がるのか、それとも人類の滅亡に繋がるのか、この問い掛けを常に秘めながら、進んでい居ることを自覚的に理解しなければならない。先の産業革命では、生産に必要な資源(物質的資源、人的資源等々)は無限にあるという仮説の下に行われていた。巨大のエネルギーと物質の消費は問題にならなかった。しかし、今、資源の有限性が生産条件となっている。また、先の産業革命では、人的資源も無限にあり、国内の農民、労働者層から、また海外、植民地から無限には収奪可能であった。しかし、現在は、それらの人的資源を育成するための社会経済的資源価格が、過去の時代と比べて非常に高くなっている。その原因の一つに、高度科学技術力を前提にした生産システムの形成が挙げられるだろう。言い換えると、今後の21世紀型の社会経済システムでは、これまでにない新しい社会契約(例えば、次世代市民社会契約、環境社会契約、国際社会契約、地球資源社会契約、等々)の新しい社会経済思想とその思想に支えられた政治体制(例えば、市民参画型社会、地域国際社会経済文化共同体、国際安全保障体制)が必要となっている。


そして、私たちは、今、そのために問われる課題に対する研究や社会活動を展開しなければならない。

フェイズブック記載 2017年1月7日 

2017年1月6日金曜日

いじめを受けて自殺する子どもたちに (詩)

(一)

いじめを受けて自殺する子どもたちに

今日もニュースでいじめを受けて自殺する子こどたちの話が
報道されている。
いじめを受けて死を選ぶ子どもたちに対して、
私たちは、それを食い止めさせる言葉をもたな。

ただ、いじめた側の子どもたちを罰することがで、
死んでいった子どもへの償いが可能だと
思ってはいない。

弱い人をいじめる。
そんな恥ずかしいことが横行する。
それが、今の日本の文化なのか
それが、私たちの社会の姿なのか
それに対して、誰も何も言わない

いじめる子どもに、
いじめられる子どもに
優しく、生きるための力を諭すことばを失った
それが、今の私たちの生き方なのか。

いじめる子どもに
いじめないことの勇気を
いじめないことの優しさを
語る姿を失った
それが、今の社会の姿なのか

人が生まれ、言葉を話すまで
人が生まれ、歩き出すまで
どれだけ人は、多くの愛情によって支えられたか。
そのことを知ることで、
命の重さを知ることが出来ると
伝えることは出来たはずなのだ。

私もあなたも、
そしてすべての人々も

(二)

いじめを受けて自殺する子どもたちに

いじめを認めることは出来ないが、いじめはどこでもある。
いじめというのは自分の世界がすべての世界だと思う心から生まれた暴力だ。
だから、いじめは自然に生まれるのだ。

考えてみてほしい
どんなことばも、他者への優しさを持つまでに、時間を費やしたか。
どれだけの時間をかけて、他者への共感や優しさを身につけたか。

思い出してほしい
自分を認めてもらいたいと叫んでいた自分が、どうのように他者を理解できるようになったか。
自分中心の世界に、どうのようにして他者が現れたのか。

だから、
いじめられなければいじめられる苦しみは分からない。
いじめられたことは、優しさとは何かをしる試練なのだ。

だから、
君は死んではならないのだ。
君は生きなければならないのだ。

(三)

いじめを受けて自殺する子どもたちに

きみの後に、どれだけ多くの子どもたちがいじめられるか、
君は、知っているだろう。

だから、
生きて、いじめてはいけないと言う人にならなければならない。

君をいじめたあの子も、また、どこかで、いじめられる。
その時、君はその子を助けることができる。
その子といじめてはいけない人と人の在り方を語ることができるのだ。
だから、死んではだめだ。
もっと強く生きなければならない。

強くなければ、
優しく人々を包むことは出来る。

あの傍観していた友達も、
本当は、君を助けたかった。
しかし、彼らは、強くなかった。
いじめるのを止めろと言えなかった。

彼らは、いじめは悪いと知っていた。
しかし、それを行動に移す勇気がなかったのだ。

だから、君は、死んではいけない。
もっと強く生きなければならない。

そして、いじめる友達を見たら、
それは悪いことだという勇気を持った強い子になって欲しい。
すると、今まで、きみへのいじめを傍観していた友達が、
きっと、一緒に、いじめを止める友達になってくれるだろう。

踏まれることはいいことだ。それは人を強くする。
叩かれることはいいことだ、それは人を強くする。

踏まれても、伸びる。
倒れても、立ち上がる。
道端の名もなき草のように生きる。
ただ、前をみて生きる。

そうだ。
きっと君には素晴らし未来がある。



フェイスブック記載 201612月6日 


詩集『心象色彩の館』 目次