2012年8月14日火曜日

なぜ大阪維新の会が原発推進派と対立するのか

政治政策の分析 (1) 


三石博行

橋本氏の大阪維新の会や石原東京都知事らが日本の原発行政に反対する主な理由は、彼らの市場経済主義に現在の電力会社の経営が反するからである。

国の保護(日本の原子力政策による)の下、電力は電力会社(独占企業)によって生産され、自由競争や市場原理が機能しない企業体質を生み出した。そのため、電気生産価格は国際的に高く、また消費者のニーズに合わせ経営努力をする企業文化も形成されず、今回の福島原発事故以後も、東電は電気料金値上げによって事故責任負担を国民に負わせながらも、ビデオ映像の非公開など事故原因の徹底究明を回避し続けている。

しかし、小泉自民党政権時代に保守本流から、市場経済主義は展開された。国家企業の民営化、労働市場での自由競争導入や官庁の権限や規制の緩和(既成団体の利権独占を許す)を進めることで、これまでの利権集団(労働組合、官僚利権集団等々)から大きな反発を受けた。

それらの規制緩和によって導入された市場経済主義が、社会福祉や国民生活環境に打撃を与える現実もあった。小泉郵政民営化選挙を通じて政権を安定させた自民党内部からも郵政民営化に反対する勢力が離脱し、それらの勢力は、民主党と連立政権をつくることになる。

しかし、官僚指導型国家運営を進めてきた自民党主流派は、小泉政権の小さな政府への転換を自民党本来の政策として認める訳に行かない。また連合など労働組合の利権を代表する議員を抱えた民主党も同じ市場経済中心主義への反発を持っている。

つまり、政治理念から観れば、今の政局とは、官僚指導の伝統的な政治、大きな政府による政治か、それとも、民間指導型、地方分権型の小さな政府による政治かの選択肢が存在しているとも言えるだろう。


引用、参考資料

三石博行 ブログ文書集「国民運動としての政治改革」

「国民運動としての政治改革」の目次(案)

はじめに
1. 政治は何のために
2. 政治活動とは何か
3. 国民運動としての政治改革の可能性
4. 官僚・行政機能と政治機能の改革
5、市民民主主義社会形成のための政治家の役割
6. 地方分権と草の根民主主義社会の形成について
7. 国民を思うこころを持つ官僚育成が必要 


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