2011年12月2日金曜日

公共報道機能の独立権の成立条件とは

民主主義と報道機能(5)


三石博行


言い換えると、逆説に聞こえるかもしれないが、日本放送協会が太平洋戦争で行った戦争協力行為を、むしろNHKで大いに取り上げ、NHKの在り方を国民に理解してもらう必要がある。その国民的な公共放送の理解を前提にして公共放送を擁護し、その必要性を求める国民的な支持が生まれるのだと思う。

しかし、この課題は民主主義社会を形成するために非常に重要な課題であることを理解しておく必要がある。報道の自由とは、何にたいして自由なのかと問いかけなければならない。明らかに真実を報道することが擁護される意味において、その権利を保障するために報道の自由が主張されているのである。

公共放送が国民主権の立場にたち公平、自由な報道を行うためには、公共報道に対して国家権力の監視や介入があってはならないということは理想論である。公共放送は国家の利益を守るための社会的機能(情報機能)である。しかし、その国家の理念が民主主義であり人権擁護であるなら、公共放送は大きくそれらの理念を擁護する立場での報道を確保することができるだろう。

そして、同時に、逆説的に、公共放送の政治的機能を理解しその影響力を歴史的事実から知ることによって、民主主義制度の原則として三権分離(司法、行政と立法機能の独立を保障すること)が社会常識であるように、報道権の独立を保障することが、さらに民主主義を豊かにすることだと国民は理解するだろう。国民の知る権利を保障するための公共放送が報道の独立機能を確立することで、国民による国民のための報道機能運営が保障されなけるだろうと考える。


参考資料

ブログ文書集「民主主義社会の発展のための報道機能のありかた」

1、民間報道機関の公共性と報道の自由の確立に必要な改革

1-1、「報道企業マスコミの本音と報道の自由」 2011年9月5日
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/09/blog-post.html

1-2、「私企業としての報道活動と電波伝達空間の所有権」  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/10/blog-post.html

1-3、「民間報道の報道の自由とその国民的監視機能の必要性」  
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/12/blog-post_02.html


2、公共報道機関の必要性とその独自性を擁護するために必要な改革

2-1、国家の利益を擁護する情報機能としての公共報道の宿命 
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/12/blog-post_527.html


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ブログ文書集

1、ブログ文書集「原発事故が日本社会に問いかけている課題」目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_3562.html

2、ブログ文書集「東日本大震災の復旧・復興のために 震災に強い社会建設を目指して」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/03/blog-post_23.html

3、ブログ文書集「日本の政治改革への提言」の目次
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/06/blog-post_9428.html

4、ブログ文書集「21世紀日本社会のための大学教育改革の提案」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/04/blog-post_6795.html

6、ブログ文書集「持続可能なエネルギー生産社会を目指すために」
http://mitsuishi.blogspot.com/2011/11/blog-post_2842.html

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